子どもたちの現状から学力を問い直す
問題提起
渡辺恵津子(埼玉・公立小学校)
コメンテーター 岩川直樹(埼玉大学)
子どもが主人公になる算数の学び
~共につくる、豊かな学びの世界~
教育の視点として
子どもの言動の裏にある要求や願いに耳を傾ける
発達主体は子ども、発達の原動力は子どもの「内なる力」
子どもは安心の中、文化と仲間との出会いで育つ
≪いっしょに考えてみましょう≫
① レストランで会計をするとき、10%割引券を持っていたことを思い出しました。食事代の10%引きの後消費税をつけてもらう方が得か、食事代に消費税をつけてから10%引いたほうが得か悩みました。さて・・・・
② めんつゆを3倍に薄めて使います
あなたはどっち
めんつゆ:水=1:3
めんつゆ:水=1:2
③ 理系の大学を卒業したお母さんが1年生のために作ってくれた?問題です。
(計算ができても、意味がわかっていない大人たち)
ウサギが2わいました。にんじんが3本ありました。
あわせていくつでしょう。
1、「学力」問題を子どもの視点で
①、
子どもの願い
「恵津子先生にはオーラがあるK先生(新任)には隙間がある?」
ランドセルに詰め込んでくるそれぞれの「生活」
②、算数少人数担当になって見えたこと
・「学校は楽しいけれど授業はつまらない」
子どもの心の声を聴くこと
問われる学習の内容と方法、形態
・計算はできるけど、「算数きらい」が9割の6年生、
かけざんもおぼつかない4年生の実態から考えたこと
③、「学力調査」結果に見る「学び」の危機から
・PISA・TIMSSの調査結果から
計算ができても意味が分かっていない、使いこなせない算数の「学力」
基礎は人間として幹を太くすること
発見の面白さから、基本は豊かに深く、仲間と共に学
2、納得と共同の学びの中で変る子どもたち
ⅰ、私たちが持ちたい豊かな「学力」観
ⅱ、意欲が育つとき(誘導、説得から納得の学びへ)
① 安心と自由の中で学ぶ意欲を育てる
子どもたちの学びは、学級づくりと授業作りの中で豊かに広げられる
≪学級づくりの視点≫
●生きている充実感を育てる
●生活の表現交流
●探検活動
・人・もの・ことを読み解く活動
・観察すること、分類・総合すること、問いを出すこと、驚きを語ること
② 自分発見、仲間発見の学習
●学びの中での思いを言語化して、自分を語り交流する
・学びの中で自分の認識や思いがどう変わったのか深まったのか自分を見つめて
言語化し、発表、交流する
・「安心して 勉強できたよ」「まちがえてくれたおかげでいい勉強になった」
3、今、カリキュラムづくりは創造的に
● 子どもの現実、生活から出発する学習
● 発見のおもしろさから、基礎こそ豊かに深く学ぶ
● 問いがもて、考え表現し、より高次な問いへと発展できる授業
● 討論で意味を発見、自分発見、仲間発見の学習
● 教科の総合化・生活化を
問題作り、探検で算数から総合へ
● 学ぶ意味がわかる学習、自分の学びが現実の世界と結びつく
レポート、感想、授業日記
● 自分発見、仲間発見の学習
● 習熟は多様に、教具も子どもと共に
<今年の実践から>
①6年生、「算数かあ」から「算数だ」に変わったのは・・・
・ 授業開きは、「17段目の不思議」と5年で学んだはずの「2枚のパンを3人で分けると・・・」
・ 算数でW杯を予想する? 人は小数で表していいの?
・「初めて、意見を言いながら算数やったけど、みんなで意見を言うと、すっごく分かる。時間はかかるけど、こういうほうがいい」
②「斜めにも長さはあるんだあ!」
③ドラマが生まれる「73÷3」丸ちゃんのやる気を引き出したのは・・・
④「恵津子のへや」で「算数もっと教えて」